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なぜ保護犬・保護猫は絶えないのか? ― 捨てられる命の背景と、私たちにできること

 

 SNSやニュースでは、毎日のように「保護犬」「保護猫」の情報を目にします。譲渡会のお知らせや里親募集の記事をシェアしたことがある方も多いのではないでしょうか。

それでもなお、行き場を失う犬や猫は絶えません。なぜでしょうか?

 飼い主による「飼育放棄」

犬や猫が保護される大きな理由のひとつは、飼い主自身が「飼えない」と判断して手放してしまうことです。

  • 「思ったより世話が大変だった」

  • 「引っ越しや転勤で一緒に暮らせなくなった」

  • 「結婚や出産で環境が変わった」

  • 「高齢になって体力的に世話ができなくなった」

動物と暮らすことは、15年以上の長い責任を伴います。しつけや医療、毎日の散歩や食事の世話は、想像以上にエネルギーを必要とします。けれども、その現実を理解せずに迎えてしまい、結果的に「手放す」という選択をする人が少なくありません。


無計画な繁殖

もう一つの理由は、避妊や去勢の不足です。

特に猫の場合、避妊手術をしていないまま外に出してしまうと、野良猫との間に子猫が生まれます。生まれた子を「育てられないから」と捨ててしまう…。こうして不幸な命が連鎖的に増えていきます。

犬や猫は、自分の意思で繁殖をコントロールできません。だからこそ、飼い主が責任を持って避妊・去勢を行うことが大切です。


ペット産業の影響

ペットショップの存在も、保護犬・猫が絶えない一因です。

人気の犬種や猫種がテレビやSNSで取り上げられると、一時的に「欲しい!」という声が高まります。その一方で、流行が過ぎると「思っていたのと違う」「世話が大変」と手放されてしまうケースがあります。

また、ショップで「売れ残り」になってしまった犬や猫が、保護の対象になることもあります。動物が流行や商品として扱われる現実は、見過ごせない課題です。


飼い主の意識不足

もっとも根本的な要因は、「命を命として尊重できていない」意識の問題かもしれません。

病気になったから、年をとったから、吠えるから、かわいくなくなったから――そんな理由で捨てられる犬や猫がいるのです。

心理学の視点でいえば、これは「人間中心主義」に基づいた認知の偏りです。人間の都合で動物の価値を判断し、都合が悪ければ「いらない」としてしまう。この発想を変えていかない限り、保護犬・保護猫はなくならないでしょう。


社会的な課題

飼い主個人の問題だけでなく、社会全体の仕組みにも課題があります。

  • 飼い主教育や啓発活動がまだ十分ではない

  • 繁殖や販売の規制が海外に比べて緩い

  • 保護施設の収容能力や予算には限界がある

捨てられる背景には、経済的困難や孤独、高齢化といった社会問題が隠れていることもあります。だからこそ、「捨てる人が悪い」と責めるだけでは解決しません。社会全体で支える仕組みが必要なのです。


私たちにできること

では、私たち一人ひとりにできることは何でしょうか。

  • 買うより迎える(Adopt, don’t shop)
    新しい犬や猫を迎えるとき、ペットショップではなく保護団体から迎える選択を。

  • 避妊・去勢を徹底する
    不幸な繁殖を防ぐのは、飼い主の大切な責任です。

  • 飼う前に「15年以上の責任」を考える
    命を迎えるということは、家族として一生付き合うということ。衝動ではなく覚悟をもって決めることが必要です。

  • 支援や発信に参加する
    保護団体への寄付やボランティア活動、SNSでの情報拡散も立派な支援です。

 

 日本で保護猫・保護犬支援に関わる有名人

  • 杉本彩(女優)
    公益財団法人「動物環境・福祉協会Eva」の理事長を務め、自らも被災地の保護猫や犬たちと暮らしながら、里親会開催や講演、政策提言など幅広い活動を行っています INUNAVI(いぬなび)

  • 滝川クリステル(アナウンサー・タレント)
    殺処分ゼロ、野生動物の生態系保護などに取り組む一般財団法人「クリステル・ヴィ・アンサンブル」の代表理事として活動しています INUNAVI(いぬなび)

  • SEKAI NO OWARI(音楽グループ)
    保護犬・猫の殺処分ゼロを目指す「ブレーメン」プロジェクトを支援しています The Philippine Animal Welfare Society+8INUNAVI(いぬなび)+8PETA Headlines+8

  • ローラ(モデル・タレント)
    「UNIプロジェクト」に参加し、動物保護活動を応援しています worldpetinfo.com+10INUNAVI(いぬなび)+10Wikipedia+10

  • 浅田美代子(女優)
    「Tier Love(ティア・ラブ)」という実行委員会の代表として、保護犬の支援などを行っています INUNAVI(いぬなび)+1

  • 佐良直美(歌手)
    1993年から栃木・那須塩原で「Animal Fanciers' Club」という動物福祉に関わる団体を運営し、犬猫の救護や飼育教育などに取り組んでいます Wikipedia

  • 相葉雅紀(嵐/タレント)
    地上波の動物番組で保護動物と触れ合いながら、トリミングや譲渡支援を行うコーナーも担当し、視聴者への啓発を行っています